「草アート」 県立美術館という名のチャンス
モダンなロダンのロマン 下
県立美術館には「ロダン館」というロダン彫刻に親しめる最高の環境が用意されています。
が!一体ロダンとは何者なのか??まず、それが問題です。
そこで、今回はそのロダンの波乱万丈の人生をダイジェストで紹介しようと思います。
ここで、興味を持ったらしめたもの。
県立美術館はあなたにとってかけがえなき美の殿堂として、
あなたの人生に彩りを添えてくれる事でしょう!
今回は、ロダンの五指に入るであろう素晴らしく、
そしてこだわりのこもった彫刻2つにスポットを当て、
ロダンの生涯の締めくくりを演出します。
『カレーの市民』は、
英仏100年戦争の際に
勇敢に捕虜に進み出たフランス最北部の街の市民たちを
ドラマチックに表現している。
もともとは「勇ましい勇者一人を」と、注文されたものだが、
天才ロダンは天才らしく、今回も思い通りには動かず、
死を前にして悲壮感あふれる人間を、6体もつくったのだった。
なおこの頃、突如としてロダンは手フェチに目覚めたらしい。
『カレー・・・』を観る際には、
ぜひともロダンがこだわりにこだわった手の美に注目して欲しい。
最後にもうひとつ話題を呼んだ作品について触れよう。
それは『バルザック像』というもので、
フランスの文学家バルザックの像を文芸家協会がロダンに依頼したものだ。
しかし、ここでもロダンは天才チックにこだわりを見せ
(頼んだ方としては迷惑極まりないが)、
「生きた」バルザックを求め放浪の旅に出る
(バルザックは1850年に没していてその頃は既にこの世界にはいない)。
案の定、こうして期限に間に合わずに注文を取り消された。
が、ここでやめないところが天才ロダン、
『バルザック像』を完成するためにその構想を練り続ける。
が、足が短く腹が大きいバルザックはどうもまとまりが悪い
ということで、随分悩んだ。
最終的には、弟子のブールデルのアイデアで
寝巻きを着せてごまかす(?)ことで決着した。
こうして、寝巻き姿のバルザック像が、
今も威風堂々とパリのモンパルナス大通りで未来を見据えている。
こうして、芸術家としての誇りと人間としての感性を常に見据え、
その生涯を見事に彫り抜いたロダンは、
死ぬ直前に正式にローズと結婚し、その生涯を終えた。
大切なことは、感動すること、愛すること、心を震わせること、生きることである。
芸術家である前に人間であれ!